ミツバチ図鑑
ハチミツが結晶化しました
蜂蜜を長期に保存した場合に白濁したり、結晶が出来たりしますが、
これはブドウ糖が多い蜂蜜に多く発生します。
アカシア蜂蜜などは果糖の割合が多いので結晶しにくいのですが、
ブドウ糖の多い蜂蜜は結晶化しやすい性質を持ちます。
品質には影響ありませんが、結晶化してしまった場合は60℃程度のお湯で湯煎してください。
また、冷蔵庫などで保存されると温度が低いので余計に結晶化してしまいます。
直射日光や極端な高温多湿の場所でなければ、室温で充分に保存できます。
また湯煎を繰り返すことで、種類によっては色が黒くなる場合がありますが、
これも賞味にはまったく問題ありません。
ハチミツの保存期間
ハチミツの賞味期限はおおよそ2年程度でこれは他のメーカーでも概ねこのくらいです。
法律上、賞味期限をつけなければいけないからですが、
実際の保存期間というのは相当長いものです。
エジプトのピラミッドの中から発見された当時のハチミツが、問題なく賞味できたことが何よりの証で、
それはハチミツの低い水分活性とPH値のおかげです。
ハチミツの水分は17%以下と少ないうえに、糖と結合しているので
自由に動き回れる水分が極端に少ないのです。
菌が繁殖するためにはこの自由水と呼ばれる水分が無いので増殖できないのと、
PH値が3.8と高いので繁殖能力が低いのです。
乳児ボツリヌス症
乳児ボツリヌス症は、1976年米国において初めて発生が確認されました。
ハチミツには稀にボツリヌス菌の芽胞(種のようなもの)が含まれる場合があります。
腸内細菌が確立されていない1歳未満の乳児や、病後体力は衰えている方などは
通常、腸内で確立されるボツリヌス菌の競合する菌が未熟だったり、少なかったりするので、
発芽し毒素を発生する可能性があるためです。
ただし、現在のところ、国産のハチミツでボツリヌス菌が発見された事例はなく、
当園でも定期的な検査を行っていますが当然問題ありません。
必要以上に危険視する必要はないのですが、
ご家庭に1歳未満のお子様がいらっしゃる場合、
料理として利用するのも避けたほうが賢明です。(芽胞は熱に強く煮沸でも死にません)